香織を見た同期早く連れ出したい気分だろう。実家にすぐにでも連れて行きたい衝動に駆られている。
「え!妹さんなの?奥様綺麗!会社で噂になってまして!新入社員で既婚者が来たと」
「へー!噂ね。いい噂かしら?」
と、春江は笑みを浮かべながら同期を見ている。
春江の頭はシャーロックホームズモードになっている。
来ている服はブルックスブラザーズのポロシャツにグルカショーツということは、慶應義塾大学ね!しかも、普通部からのボンね!茅ヶ崎のお家から辻堂までは車で送迎ね。
「会社で同期なんですか?」
「そうです。研修時代から仲が良くて、東京のマンションも月島なんで近いんですよ」
「築地に月島ね。もんじゃね」と春江が意味ありげな笑みを浮かべると母が、「もんじゃ食べたいわね」と言い出す。
「いつでもご案内しますよ。美味しいもんじゃとモツ煮込みがあります」
モツ煮込みは母の大好物だ。
香織は大胆にも同期の男に「ちょっと飲みに行かない」と誘い出す。
「ぐるぐるダイニングやってるわよ。入れるかしらね」と春江がけしかける。
ぐるぐるダイニングは、茅ヶ崎の鉄砲道にある洋食屋さんで料理の上手さは天才的だ。小笠原で民宿を経営していたが、やめて茅ヶ崎に引っ越してきた。
予約を取るのが大変な店である。
「ちょっと、電話して」と春江がけしかけるからで予約の電話をしたら「二人なら入れます」とのこと。
二人で仲良く店に向かった。
「なんかいい感じね」
「そうですか?」
「慶應義塾大学のプレイポーイという感じ」
「多分!」
「でも、香織の方が上手ね」
そうですよね。この姉妹に勝てる男はいませんよ。私を含めてね。
春江と私は自分たちの部屋に戻り母と夕食の支度をした。
「今日の料理は何を作るの?」
と俺に聞くのだ。
「えーと!ゴーヤチャンプルとじゃがバター塩辛そえ、豚肉と大根と玉子の煮込み、味噌汁でどーよ」
「夏らしいね。煮込みの時間あるの?」
「圧力鍋を使うよ」
料理はすぐにできた。
食べ始めてしばらくすると、子供が起きる。
オムツ変えてね。
搾乳して母乳を飲ませる。
すると香織からラインが来る。
「酔いつぶれてダウン!迎えに来て」
行ってみるとシェフも女将さんもお手上げみたいだ。
神奈中タクシー呼んでもらい、乗せたらタクシーの運転手はすぐにわかった!
「あ!ボンのうちね。すぐそだよ!」
着いたら、大使館ような家が目の前にある。
玄関が開いて家政婦さんが登場!
「部屋までは込みベットに寝かせる」
「すいませんでしたね」
挨拶してタクシーで帰るが、タクシー代は家政婦さんが渡したタクシー券で払われた。
家に帰り香織は姉に報告する。
「あの子ね!私のいうこと聞きそうよ」
「あら、いい子じゃないの!女はいるのかしら?」
「いるでしょうね。でも、顔はいいわね。可愛いね」
「いうこと聞くね!いいことだよ」
完璧に香織の話術にハマったな!
仕事に行ったらどーなることやら!
楽しみだよ!
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