起業するという厳しさを知る!

春江と香織の起業計画は香港と韓国の下請けメーカーとの交渉によって進められるはずだった。最初に香港に行った。4時間のフライトのうち食事が終わってから春江はひたすらPCに向かってメールを読み込んでいた。香港についてセントラルまで高速鉄道でいき交渉する企業に向かった。そこで、ビジネスの厳しさを思い知らされる。

香港について行って春江と香織は暑さにヘキヘキとしていた。特に香織は札幌から出たことがないから暑さには弱い。「なんでこんなに暑いの」と言い出した香織に「オフィスに入れば3度ぐらいよ」と春江が答えた。

3度?

何でそんなに寒いの?春江の話では香港人はエアコンの温度が下がれば下がるほど空気が綺麗になると信じているらしい。だから、思いっきり室温設定を下げる。そして、上着を着る。外気温との差がありすぎるから体がおかしくなるのでは思うがこれに慣れっこになっている香港人はすごい。

何故、空気清浄機を入れないのだろうか?これが不思議なんだよね。

さて、ついた。

約束の時間には間に合った。生産交渉をする前にデザインを見せる。このデザインに注文がついた。刺繍のデザインをつけるためにはプログラミングが必要でその金がかかるという。そして、生産量の最低ロットが大きい。これでは最初から大量の在庫を抱えることになる。

交渉は最初から決裂だ。先方の妥協案はデザインの著作権を移譲する代わりに生産量を少なくてもいいという回答だ。コピー大国らしい発想だ。春江はこれを拒否して交渉は終わる。また、出直してきますと行って帰る。

「想定内の答えね」と春江が言えば香織が「香港は輸送距離が遠すぎるから、韓国でいいよ」と言い出す。そして、腹が鳴る。

なにを食べるの?

タイムズスクエアに行けば、美味しい飲茶屋さんがある。最上階の飲茶屋で食事をしながら考えていた。春江も香織も全く落ち込んでいない。それどころか、飲茶を食べながら「この飲茶屋さんを日本でやればいいのでは」と言い出す香織に、「もうあるよ」と春江が返す。

春江がロットのことを考えると生産コストが高くても少数ロットで生産してくれる会社がいいと考えていた。小さく初めて大きくするのだとね。確かに売れるかどうかわからない。商品の種類は必要だ。仮に30種類で勝負してもどうだろうか。勝てるのか?

資本金は持つのだろうか?それを考えると勝負に出れない。

ホテルの部屋で春江はPCに向かった。香織の部屋は隣だ。春江がPCに集中してメールのやり取りを開始した時に香織からメールがきた。話があるからラウンジに来て欲しいとね。行ってみることにした。