朝から機嫌が悪い春江を見てつくづく女は難しいと思うのだ。同棲して、新婚気分のような毎日が春の生活は終わりに近づいてきた。そこに嵐の予感!
桜の季節は早々と終わる。最近の春江は何か考えているのかノートにひたすら何かを書いている。
ときおり、立ち上がりコーヒーを入れて元に戻る。そして、ノートに書き始める。何を書いているかは聞いても、何事もなかったごとく書き続ける。
「よし」と言うと立ち上がり俺を見る。
「ねえ、ご飯は?」
「これから作る」
「食べに行こうよ」
と言われると歩いて魚香に向かう。
カウターに座りいつものメニューを頼むのだ。中華サラダときんぴらごぽうにマグロ!日本酒!
「あのね!事業計画を作っていた」
「何やるの?」
「下着屋さん」
「どこで?」
「茅ヶ崎かな」
「え?茅ヶ崎から会社に行くの?」
「引っ越すわよ。江戸にね。お店はここにしようかなと」
「なんで?」
「茅ヶ崎には下着専門店がないのよ」
どうやら、緻密に計画しているみたいだ。
東京の引越し先は築地にした。
会社まで歩いて行けるし、築地市場がある。場外市場で朝ごはんだな。
そして、彼女から妹がいることを聞かされた。
「あのね!このマンションは会社の寮だから私の名義に変える。マンションを事務所にする。事務員に妹を入れる」
「え?妹?」
「明日来るわよ」
いつも急なんだよね。妹さんに会ったことがない。北大を出て地元の銀行に勤めている。
「明日来るの?」
「そうよ。しばらくいるから、よろしく」
どんな妹なのか?
姉より7歳下と言っていたから、俺より3つ上だな。
「まさくん!妹に手を出しちゃダメよ」
「そんなことしません」
「妹ね、すぐ私の男とるのよ」
「え?」
「過去に色々あったけどね」
姉もパワフルだけど妹もパワフル!
北の女はすごい。
「それに、もうすぐ生理だからね。帰ったらたっぷりね」
と明るくエッチな春江なんだよね。
嵐の予感がするのだ。
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